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第一子出産の経験談


私の鮮明に覚えている一年前の第一子出産の経験談になります。
臨月に入ってからずっと微痛ながらも前駆陣痛が続きまして、これでは本当の陣痛と見分けがつくだろうかと少し不安に思っていました。
が、出産となった日の前日の朝に微量の出血があり、これがおしるしだ!と見た瞬間にピンと来ました。
やっと我が子と対面できる時なんだと嬉しくなりました。
問題は主人の行動でした。
今となっては笑い話のようになっていますが、当時はそんな余裕はありませんでした。
「出産になる前の出血が出たから今日明日にはうまれてくるよ」と話したところ、「今日は友人と夜釣りに行かなきゃいけないからうまないでくれ」と。
私自身でタイミングをはかって産まれてくるわけでもないし、初産は仕事で抜けられない時以外は立ち会いと決めていました。
が、妻の心配と自分の趣味を天秤にかけて、あっさりと趣味を選んだのです。
いやいや…と呆れながらも亭主関白の主人は私の意見なんて聞くわけがありません。
朝の出血からは腹痛など何も変化がなかったのもあり、主人は仕事後夕方から釣りへと出掛けていきました。
家を出る時に再度「今日はうまないでくれよ!」という破茶滅茶な言葉を残して。

日にちが変わってすぐの頃、じわじわと下腹部の痛みがやってきました。
今まで前駆陣痛で腹痛はしょっちゅう感じていましたが、私はついに来たなと最初の段階で確信していました。
あらかじめスマートフォンにインストールしていた陣痛計測のアプリを利用し、痛みの間隔を記録付けていきました。
ちくちくとした弱い痛みが少しずつ少しずつ強まっていきます。
はじめは間隔もバラバラでこれで等間隔になるのだろうかと思いつつも、ベッドに座っておさまったり痛み始めたりする腹痛に耐え続けました。
その時は痛みと痛みの間にはまだ余裕があったので、妊娠初期から愛用してきた妊婦さん、育児中のママさんが意見を交換しあうアプリにて、陣痛の話をしながら勇気づけてもらっていました。
そうして朝方の3時になる頃、陣痛の間隔は5分間隔に。
そこでやっと産婦人科に電話をしました。
名前などの個人情報と簡潔に今の状況を話すと、今から来てくださいとのお答え。
その時には、痛みが来ると立ち止まりその場にしゃがみ込んでしまう程強い痛みでした。
痛みがおさまっているあいだに、登録していた陣痛タクシーに電話をかけて呼び、まとめていた荷物を持ち、愛犬たちにしばしのお別れの挨拶を済ませて、家を出ました。
産院へ到着したのは4時頃、ひしひしと強くなる痛みに唸りながらも荷物を抱えてタクシーを降り、産院の助産師さんに迎えてもらいました。
お会いして早々、「1人で来たのよね?そんなに荷物もって大変!」と、驚きの心配の言葉をかけられました。
言われるまでは気にしてませんでしたが、陣痛出産時用と入院用に分けた大きめのバッグが2つ、それを1人ながらもしっかり抱えて来たんですもの。
あとで家族に持ってきてもらうという手段もあったようですが、我が家に暮らしているのは休みは趣味優先である主人…頼ることは考えていなかったので、そんな手段ははなから頭にありませんでした。

とおされた部屋は陣痛室で小さな個室でした。
朝方だったので冬の外はまだまだ暗く、付けられた照明も手元のライトのみ。
1人でただでさえ心細いのに、余計にさみしさを感じました。
そんななかで陣痛の合間に主人と文面のやり取りをし、実母にも連絡をするも早い時間のため応答なし、主人を待つばかりでした。
主人は車で片道1時間半かかる離れた場所まで行っていたようで、はあ…と呆れるしかありませんでした。
今か今かと思っている時、新たな連絡の通知。
「車がバーストした」
え!?車のこと全然知らないから意味も分からないけど、移動不可ってこと!?
こっちはもう痛くて辛いのに何ちんたらやってるの!と思わず半泣きになってきました。
これで来れなかったらどうしよう、いつまで1人なんだろう…と。
それからまだしばらくしてから連絡がはいり、車のことは解決したようで、再度向かってるとのことで安心しました。
そんなハプニングもはさんだものだから一向に来てくれず、私がくたばり始めた7時頃、やっと主人が登場…。

あとになって聞いた話ですが、主人は釣りしていたままの格好で来たので服は海くさく、手は洗っても魚エサの生ぐさい臭いがとれず、悲惨だったようです…。
私は陣痛に必死で臭いなんて一切感じませんでしたけれども。
主人が来た時には、陣痛の下腹部に力が入ってしまうのをおさえるのが非常に辛くなってきている段階でした。
それまでは自分でお尻の上の骨のところにテニスボールを押し付けていましたが、それももう自分では限界になり始めた時で、早いに越したことは無かったですがグッドタイミングでした。
主人にテニスボールを託し押してもらうも、何か少し位置が違う…。
けれども的確な位置は説明できず、そのまま押し続けてもらいました。
陣痛がおさまった時には主人も休憩、そのわずかな間に寝落ちする主人。
ベッドに横になっている私の後ろから聞こえるぐー…といういびき。
私は半分意識のような状態でくたばりつつも、寝るに寝れませんでした。
「…あ、きた、押して!!!」と、必死に主人を起こし、寝ぼけながらもぐっと力を込める主人。
傍から見たら間抜けな、そんな状況が続きました。
たまに助産師さんが様子を見に来てくれ、お腹に機械をつけ赤ちゃんを確認、子宮口の広がりを見てくれますが、「まだだねー」とのこと。
痛みのレベルが分かる装置を見て「痛みに強いんだね!」と一言。
いえ、堪えなきゃいけないしどうにもできないから、堪えてるだけです。
そんなこんなで外がすっかり明るくなった頃、産院から近くの実家に住む実母と祖母が到着。
その後、近所に住む主人の妹家族が見舞いに到着。
が、痛い時は堪えるのでいっぱいいっぱい、おさまっている時は脱力感でいっぱいいっぱいで、話している余裕なんか1ミリたりともなく、話しかけられてるけど無視のような状態でほぼ誰とも言葉を交わしませんでした。
お昼になり、食べれたら食べてねと昼食が運ばれてきましたが、一口も手をつけられず。
陣痛中用にとお菓子も持ってきていましたが、一切食べられずで、かろうじて飲み物とゼリー飲料のみ口にしていました。
その頃からもう産まれてきてもいいんじゃないか、あとどれくらいかかるのだろうか…という限界的な思いが、私にもテニスボールを押し続けている主人にも芽生え始めてきたと思います。
順調にひらいてきた子宮口もあと2センチ、あと1センチがなかなか開かず、午後になってからもしばらく苦しみました。
義母が到着し、眠気の限界に到達した主人はテニスボールを実母に託して仮眠をとりはじめました。
男性と女性の力の差はかなり違います、実母が押してもまあ弱い。
押してる側としては相当力込めていたようですが、全然力を感じなかったです。
そうして、いっそのこと体勢を変えようとなり、上半身を起こして胡座になり自分の体重をかけてテニスボールを押せるような体勢に変えました。
助産師さんからも体を起こしているほうがいいとその時言われました。
もっと早く言ってくれと思いました…。
陣痛来たら体重かけて体をユラユラ、重い月経痛の時も片膝立てて体をユラユラして堪えてきたので、へんなスタイルではありますが、私には痛い時のいつものスタイルが一番なんだと、やっと気付きました。
まだかまだかと皆が思い始めた矢先、分娩台へ行きましょうかの声が!

お産待ちに待った出産の時がやってきました!
痛くて辛いのには変わりなかったのに、その言葉を耳にした時、確実に苦しみが和らいだ気がしました。
気の持ちようってよく言いますけど、まさしくそれだと思いました。
立ち会いは予定通り主人と実母もすることになり、見守られながら出産の準備へ。
立ち会いって汗を拭いてもらいながら水分補給の手助けをしてもらいながら、手を握って出産を共に乗り越えるものだと思っていましたが、そんなものではないんですね。
必死に分娩台のバーを握りしめ、主人の手など一切握ることはありませんでした。
それもあって、主人と実母は一歩離れてただ見守るのみ。
声は掛けられていたのかと思いますが、あまり記憶に残っていないです。
破水し何度かいきむも上手くいかず、あろうことか陣痛が少しずつおさまってきました。
子宮口全開になり、陣痛がマックスの痛みになり、その痛みを力に変えていきむ、という出産の流れを聞いていたので、初産であった私もさすがに焦りました。
自分でどうすることもできないけれど、これはどうしたらいいんだと焦りました。
そんな私に先生は二つの選択肢を提案しました。
一つはこのまま頑張って産んでしまう。
もう一つは1度休む、つまり陣痛我慢からのやり直し…!
やり直しなんて絶対に嫌だ!
迷わず産むことを選び、「絶対にこのまま頑張ります!」と、先生へ強く断言しました。
陣痛のおさまりでいきむ力が弱いのもあり、お腹を押して手伝うとのこと。
長引くと赤ちゃんにも負担がかかるため、早く出してあげることを一番に考えました。
自分のタイミングでいきむ時を決め、その時に合わせて、お腹を圧迫してもらいました。
すごく強い力で押され、それをはね返すイメージで私も強くいきむ。
一呼吸の休憩をはさんで2度目、周りの動きが変わり、「あ!頭が出てきたよ!」と待ち侘びた言葉が耳に入ってきました。
それを聞いて懸命に力を込めました。
通常は下向きの状態で出てくるらしいのですが、我が子は上向きの状態で出てきたので、ぐっと力を込め上半身が少し起き上がった状態の時に出てきた我が子の頭、顔をしっかりと確認しました。
ひとまずひと仕事終えた!と、力の抜けるような一瞬でした。
頭がしっかり出てからは「力を抜いてね」と託されて、体がするんと出てきました。
我が子は頭が出たその瞬間に産声をあげ、とても元気な赤ちゃんでした。
「終わった…」と、もう力も何もかも抜けて、抜け殻のようになった私。
胎盤を出す施術や切開した部分の縫合など私が抜け殻になっている間にテキパキと行われて、そんな中、分娩室の外で待っていた義母や祖母も早くも我が子を見に室内へ入ってきていました。
隣で体を綺麗にしてもらったり体重を計測している我が子を横でチラ見しながらも、それで精一杯。
施術など全て落ち着いて、やっと我が子を胸元に乗せられて初めて抱っこしました。
ぶっちゃけ疲れすぎてて感動の涙も出ないし、その時に撮った家族3人初めての写真も笑顔ひとつ無く作れず、かなり悲惨なものでしたが、あの時虚ろながらもほっとした気持ちになり、本当に出産したんだな…と、まるで夢のようでに感じていました。
この大きさを産んだんだなと思うと大きいと思ったし、赤ちゃんって考えるとすごく小さいなと、両極端の思いを持ちました。
小さな体で必死に息をしながら、まだ上手に開けられない目をちらっと開けて私を見つめる我が子に、私は母になったんだなと、とても神秘的なあたたかい気持ちが込み上げてきました。

あとから聞いた話ですが、私の陣痛始まりの連絡の時、主人は友人と現地に着きちょうど釣りをし始める時だったらしく、連絡を見て、しばらくぼーっと海を眺めていたと聞きました。
現地には友人の車に同乗して来ていたし、帰る!とはすぐに決断できなかったと言うのです。
友人の恋人も一緒に来ており、事情を話すと「何やってんの、早く帰れや」と、現実逃避しつつあった2人に喝を入れてくれたようで、それが決め手だったようです。
呆れるばかりですが主人は、ちょっと朝だけ釣りできないかな…と思っていたとも話し、あとの話だからまあ良しとして、あの時万が一間に合っていなかったら私は一生恨んで、ぐちぐち言い続けていたと思います。
ひとつの命がうまれようとしていて、妻がとてつもない痛みに襲われ、これから死にものぐるいで出産をするという時に、何を考えてるんだ…と心の底から思いました。
もう産まれるよと話しているその日に遊びに行くなんて、他の家庭なら大喧嘩が当たり前かなと思いますが、我が夫婦はそんな出産ストーリーを経験しました。
そんな話を主人は友人の集まりの時、出産話になったときに全て話しては、皆に心底呆れられ、私はあわれみの眼差しで見られます。
今でも、皆で集まる度の話題になる程、第三者からしても酷い話のようです…。

今現在、めでたく二人目の赤ちゃんを妊娠中ですが、そんなありえない出産を経験していることもあり、今回は一切期待していないのが本音です。
1人で出産を乗り越えるつもりはありませんが、まあもう立ち会いは居ても居なくてもいいかな…と。
母はどんな状況であれ、産まれてくる我が子のために強いんだなと思いました。
陣痛の痛みはとても辛くこの世のものとは思えませんが、それに堪え乗り越えた先の我が子との対面は、言葉じゃ言い切れない程の感動があります。
それまでの壮絶な痛みの経験も全て吹き飛んでしまう程の感動です。
痛みには弱い私ですが、それでも乗り越えられました。
出産話は本当に様々あり、とても綺麗な感動的な話から面白い話、悲惨な話など、色々聞いてきましたが、私の出産話もなかなかの内容だと思っています。
そんな特殊な出産話を読んでいただきたいという気持ちと共に、自分の思い出を残すという思いで、つらつらと書かせていただきました。
お読みいただきまして、ありがとうございました。
これから先、出産を経験する方の力になれたらいいなと思っています。

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